世間では、介護士の仕事は腰を痛め体力が続かない、賃金が低いなど、悪いイメージが根付いている。確かに、歩けない方を車いすに乗せるときは、相手の体重を支えなければいけないので、自分の腰、膝に思った以上の負担がかかる。おむつの交換の排便の処理の時は、においが耐えられない。入浴の介助はお湯を使うため、夏は脱水になるのではと思うほど汗をかく。食事の介助は誤嚥しないか不安だし、ゆっくりだと次の業務に差しつかえる。毎日、業務に追われ、利用者とゆっくり話ができない。そして、これらからわかるように、重労働のわりに賃金は低いのである。
施設によっては利用者の中に認知症の方もおり、介護に対し拒否をされる方もいる。このように肉体的にも精神的にもエネルギーを使うことが関係し、介護の現場は慢性的な人手不足だ。大変な仕事だが、この職を選んだときは誰しも、他人のために何かをしてあげたい、役に立ちたいと思っただろう。そんな人たちの気持ちを大切にして、やりがいや充実感を得られるように、つらいと思うことなく、また、転々と職を変わらなければならないようなことがないようにしなければならない。また、人材不足で起きやすいのが仕事量の過多だ。仕事を辞めたいと思うほどきつい思いをしている人のフォロー体制も必要だといえる。中には無理をしすぎてつらい気持ちが麻痺をしてしまっている人もいるかもしれない。心の病気になってしまった時には、もう手遅れである。「つらいけど自分しかいないからとにかく頑張る」というのが一番危険だ。仕事がつらいと感じる要因や対処法について、こちらにわかりやすくまとめてあるので気になる方は見てみるといいだろう。
将来を考えてみても、業務や賃金を改善していく必要があるのは一目瞭然だ。法人単位での努力も必要だが、地域、国を挙げて取り組まなければならない。これは、超高齢者社会を迎えている、我が国の早急に解決すべき問題である。